心理的負荷による労災認定・裁判判例 А 收邵蠖綟散豹Πいじめ自殺事件】

気がつけばこのシリーズも7回目。
いったいどこまで続くのやら(笑)
似たような判例はなるべく省いていきたいと思いますので、もうしばらくお付き合い下さいませ。

さて、今日は「職場のいじめ自殺」の事例です。

【川崎水道局職員いじめ自殺事件】
(東京公判H15年3月25日)

<事案の概要>
Aは昭和63年4月に川崎市水道局の職員として採用され、平成7年5月1日に工業用水課に配転した。
わわ先し水道局ではAの父親に対し、工業用立杭の建設用地としてこの父親の土地を貸して欲しい旨申し入れたが、父親はそれを拒否した。
そのため、水道局側ではAの父親の土地を利用した場合に比して多額の支出をすることになった。
それを知った工業用水課の課長であるB、係長C、事務系主査DはAに対し嫌がらせ(いじめ)を始めた。
Aは同年9月頃から仕事を度々仕事を休むようになり、同年11月には心因反応と診断された。
その後もAの体調は回復せず、平成8年4月に2度自殺未遂をした。
その頃からAは心因反応・精神分裂病と診断され、平成9年3月4日自殺した。

<主な争点>
いじめと自殺の因果関係
安全配慮義務違反の有無

<裁判所の判断>
,い犬瓩伴殺の因果関係 肯定
安全配慮義務違反    肯定
2畆坐蟷Α         3:7
で綵金額          約2344万円

さて、この事例をまとめると、以下のようになります。

Aは水道局に採用されて以来、勤務態度は積極的であり、勤務評定でAの評価を受けたこともあり、工業用水課に配転され、いじめを受ける前までは真面目に勤務していたそうです。

Aの歓送迎会の席上で、上司から「父親が土地借用を断ったことで工事費用が増大した」と言われ、このことから自分が歓迎されていないことを知り、負い目を感じており、職場にも溶け込めなかったそうです。

そんな中、課長であるB、係長C、事務系主査Dの3名による執拗ないじめが始まりました。
ちょっとここでは書けないようなパワハラ暴言が日々繰り返されていたわけです。
仮に土地借用云々の件で負い目を感じていなくとも、日々のいじめは激しく精神的・肉体的に苦痛であったと思います。
合同旅行会の際にはチーズを切っていたナイフを突き付けられ、「今日こそは切ってやる」などと脅されています。
この件があってから、ほとんど出勤出来なくなり、医師の診察を受けたところ、「職場の人間関係による心因反応」と診断されています。
その後、いじめに加わった上司の一人が昇進するらしいと聞いたことからショックを受け、自殺未遂を起こし入院しました。

自殺直前の遺書はありませんでしたが、この頃の遺書はあり、「工業用水課でのいじめ、課長B、係長C、事務系主査Dに対するうらみの気持ちが忘れられません」などと記載されていました。

水道局の組合からB,C,DらがAをいじめている可能性がある旨の報告を受けたE課長はB,C,Dと面談するなどして一応調査はしたものの、いじめをした側のBにその調査を命じて、Aが欠勤していると言う理由でAからの事情聴取はしなかったそうです。

その後、M総務部長からAの父親から遺書が出てきた旨知らされたE課長らはAの担当医師と面談し、その後Aの家へ訪問した際に、Aから配転替えの申し出に、「今休んでいるので難しい」などと言ってAの希望を一旦拒否していますが、その後、配転の話しは進められました。

配転先が決まるまでの不安から、自殺をにおわせる言動を取っていたAは、資材課へ配転することが出来たものの、2日出勤したのみで症状が回復しないまま自殺してしまいました。

E課長はいじめの有無を積極的に調査し、速やかに善後策(防止策・加害者等関係者に対する適切な措置・Aの配置転換など)を講じるべきであったのにこれを怠り、いじめを防止するための職場環境の調整をしまいまま、Aの職場復帰のみを図ったものであり、その結果不安感の大きかったAは復帰できないまま症状が重くなり自殺に至ったものであると裁判所では認めています。

Aがいじめにより心因反応を生じ自殺に至ったものであることは認められていますが、Aは平成7年11月に配転替えとなり、同月から医師の診察を受け、入通院をして精神疾患に対する治療を受けていたにもかかわらず、これらが功を奏さなかったのは、本人の資質ないし心因的要因も加わって自殺の契機となったものと認められ、損害の負担についてはその7割を減額しています。


さていかがでしょう?
あなたの職場は大丈夫ですか?

このようなあからさまないじめは最近では少なくなっていますが、心理的な負荷を加える言葉の暴力は増えているようです。
職場内で「存在を無視する」などもいじめですし、「仕事を与えない」と言うのもいじめです。

企業は職場内の人間関係にまで気を配り、配慮する義務を負わなければならない時代になっています。
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今日も長文になってしまいました^^;
明日も引き続き、判例をご紹介しますのでお楽しみに。

それではまた明日!

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